乾癬患者であることが就活結果を左右するなんてけしてあってはならないし、ないと信じていますが当事者の気持ちになると、印象を審査される就活や面接は確かに荷が重い行為ですね。私たちが過去に取材した患者さんの中には「夏にミニスカートがはきたい」「秋に温泉に行きたい」といった目的で、薬や治療法を組み合わせて一定期間、症状を上手にコントロールされている方も大勢いらっしゃいます。もし就職活動中は症状を抑えたい、といった希望をあなたがお持ちなら、いちど先生に相談してみてもいいかもしれませんよ。乾癬であろうとなかろうと、あなたの頑張りが報われる良き職場と仲間に出会えるよう願っています！

そうなんです！関節の痛みだけでなく、朝の手のこわばりだったり、手指の腫れ、あるいは腰やおしりの痛みといった症状がある乾癬の患者さんは、乾癬性関節炎の疑いがあります。まずはこちらのチェックシートであなたの症状をチェックしてみましょう。関節はいちど変形してしまったら元には戻らないので、ふだん乾癬の治療をしてもらっている先生にすぐに相談してみてください！

確かにそうですね～。乾癬という名前も読みづらいのに、それに尋常性とか難しい漢字がついているので病名聞いただけでショックだった、という患者さんの声、時々お聞きします。 尋常性乾癬は、何種類かある乾癬のなかで、もっとも頻度が高いので（乾癬全体の90%と言われています）「普通、一般的な」という意味の尋常性という名前がついているのです。詳しくは「乾癬の種類」をご覧ください。尋常性乾癬の治療は日々、進歩していますので、あなたにあった治療法でよい結果がでますよう願っていますよ！

そうでしたか…。治療選択肢は確かに今いろいろとありますが、たとえば注射には
「既存の全身療法で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者」
「難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を伴う患者」
などの明確な適応基準があり、治療を行える病院も限られています。重症の患者さんが主な対象となる注射治療は、あなたにはふさわしくない、と医師が判断したのだと思います。自由に治療法を選べるわけではありませんが、あなたの症状や体質にあわせた治療法がきっとありますので、まずはあなたの治療目的や通院できるペースを医師に伝え、あなたに最適な治療をスタートさせてくださいね。

アグレッシブに治療したい、というあなたの思いはよくわかるのですが、とても危険ですので、そういったことは絶対にやめてくださいね。患者さん側が勝手に薬を使い分けていたら、医師は正しい治療判断ができなくなるばかりか、適切でない薬の組み合わせにより、あなた自身が健康被害を受けてしまう可能性があります。
意図的ではないにせよ、複数の病院に通っていろいろな薬を服用している方はおくすり手帳を携帯し、心配なら医師や薬剤師に、服用している薬の組み合わせを確認するようにしましょう。

それはご心配ですね。乾癬は女性より男性の発症率が約２倍高く、また働き盛りの中年層に好発する傾向があると言われています。この年代の方は糖尿病や高血圧、高脂血症などの身体的な問題を抱えていることも多いので、まさにこの方の悩みは、多くの乾癬患者さんに共通する悩みでもあるのですね。
いまは治療選択肢がある程度増えてきているので、この方のように複数の病気をもつ方でも平行して乾癬の治療が可能になっています。まずはどの病気の治療を優先するか、服用する薬に問題ないかなど、ご担当の各科の先生とよくご相談なさってください。
「乾癬と向き合う 患者と医師の二人三脚ストーリー」にも、心臓病や糖尿病を抱えながら乾癬と向き合っている方をご紹介しているのであわせて読んでみてくださいね。

入院中は乾癬の治療ができなかったとのことですが、規則正しい生活と食が、乾癬の原因である免疫バランスの異常を緩和してくれたのかもしれませんね。
乾癬を悪化させる因子としてタバコやアルコール、あるいは肥満やストレスといった生活習慣がトリガーになると言われていますので、退院後も医師と相談しながら体質改善を続けてみてはいかがでしょう？

あなたはきっと、やさしい方なのでしょうね。でも、乾癬治療においては、時としてNO!という勇気も必要ですよ。
あなたに薬が合わないことがわかれば、医師は次なる策を懸命に講じ、あなたのYES!を探そうとしてくれるはず。その過程なしに、あなたに最適な治療が望めるはずはありません。
乾癬は、医師と患者さんが「二人三脚」で手を携えて治していく病気です。こちらにそんな医師と患者さんの関係を特集した記事がありますので、どうぞあわせて読んでみてくださいね。

それはご心配ですね。ですが、ひとつの薬があなたに合わなくなったからといって、決して手詰まりではないことだけは知ってくださいね。乾癬治療では、折々の症状や患者さんの体調により使う薬や治療法が変わることはよくあることですので、今の薬に対する不安や疑問をまずは率直に医師に伝えてみましょう。強い薬＝よい薬ではありませんし、あなたの症状の出方を観察しながらつぎの一手を医師と一緒に進めていけるよう願っています。

いえいえ、治療費はとても大きい問題です。心配はごもっともですね。どんな治療法や薬を選ぶかで治療費には差が出ますから、まずは先生に治療費を優先したい旨を伝え、いまのあなたにどんな治療が最適なのかをよく相談してみてください。いまは様々な治療選択肢があり、患者さんの症状と経済事情にあわせて、最適な治療法が選べるはずですよ。

光線治療に効果があったのですね。「自分に効果がある治療法がある」というのは、とても心強いことだと思いますよ。肝心なのはそれを続けられるか否かですよね。治療を続けたいが時間的余裕がない、という患者さんの声をよく聞きますが、あなたのその不安、医師には届いていますか？乾癬パートナーズで取材したOさんは医師と相談して薬や来院ペースについてもストレスのない自分スタイルの治療を続けていらっしゃいます。
あなたがもし、まだ医師へ相談していないなら、治療をあきらめる前にぜひ医師に相談してみてください。来院ペースを落としても治療を続けられる方法をきっと提案してくれますよ！

はい、おっしゃるとおりです！治療をやめてしまったとのことですが、乾癬の症状はその後、いかがですか？乾癬は免疫が関与する病気なので、全身の皮膚はもちろん、関節にも症状がでる可能性があります。あなたがかつて、どんな治療法を行っていたかは、わかりませんが、新しい目的に沿った治療を、あらためて始めてみてはいかがでしょうか。こちらに免疫バランスの異常を治すために医師と治療を続けるAさんの話をご紹介していますのであわせてご覧になってみてください。

乾癬は免疫が大きく関係している病気なので、実はからだじゅう、どこにでも出ます。
耳の穴の中にできる方、肛門にできる方、あなたのように性器にできる方など全身の皮膚や関節に症状が出るのが乾癬なのです。性器の乾癬に苦しむ人があなただけではないことを、まずはどうか知ってください。そして、それ以上ご自分を責めないようにしてください。私たちが取材したあるクリニックでは、女性患者さんの性器にできた乾癬を女性看護師が目視してその状況を男性の医師に伝える、という方法で治療しているケースを聞いたことがありますが、まずは恥ずかしがらず、今の苦しみを１００としてそれを８０、５０と下げていく手を打ちましょう。いまはさまざまな治療選択肢がありますので、医師と相談しながらすこしずつ症状を軽減していくことが可能です。

治療費がネックとなって治療を中断されているとのこと、たしかに悩ましい問題ですね。
薬を使えば症状はおさえられる。しかし継続的に使い続けることは難しい。そういう患者さんは実際、少なくないと感じています。しかし、あなたの「飲み薬で効果が実感できた」という体験はけして無駄ではないと思います！どんな治療法でも、毎日となると続けるのは大変ですが、たとえば「温泉に行きたい」「社員旅行に行きたい」「半袖の夏だけ肌をきれいにしたい」といった目的をもち、それに向かってコストと折り合いをつけながら肌の状態をコントロールされている患者さんを私たちはいっぱい知っています。あなたの可能な範囲で続けられる乾癬治療を、コスト面も含めもういちど医師と話し合ってみてはいかがでしょうか。

頭皮の乾癬は毛で隠されている分、ぬり薬もぬりづらく、また自分の目で症状を直接確認できないので余計不安になりますよね。ただ、そんな状態を続けていたら、よくなるものも、よくなりません。飲み薬や注射など、あなたを悩ます症状にあった薬の選択肢もいろいろあると思いますので、かゆみの不安や不便さを医師に話して相談してみてください。

とにかくまずは専門医（皮膚科）でよく診てもらってくださいね！
初診の際はメモなどを持って行き、医師のコメントを書き留めるのもよい方法です。
あなたの症状を的確に医師に伝えるためにも、あなたのほうからも
　◎症状はいつごろからはじまったのか
　◎現在に至るまでのおおまかな経過
　◎いまいちばん困っていること、心配なことはなにか
を医師に伝えるようにしてみてください。
「あなたに合った治療が見つかる３つのポイント」もぜひ参考に！

医師に直接意見を言いにくい、という患者さんは意外と多いと聞きます。乾癬治療の場合、医師との関係性も長期におよぶため、なるべく医師に嫌われたくない、面倒な患者だと思われたくない、という意識が働いてしまうのかもしれませんね。
そんな患者さんの思いとは逆に、乾癬パートナーズで取材した多くの皮膚科医は、「患者さんの意見を聞きながら、ひとりひとりにベストの治療法を探って行きたい」と口々におっしゃいます。一度に態度を変えるのは難しいと思いますが、疑問や不安があったらすこしずつ先生に伝えてみてはいかがでしょう？

そうなんです。乾癬は、治療方法も薬も、年単位で進歩しているんです。
あなたのように過去、乾癬治療をやめてしまった人たちが、改めて病院へ足を運んでくれるきっかけがつくれるよう、私たちもこの乾癬パートナーズを通して啓発活動を続けて行きます！

皮膚の乾癬だけだと、なかには見かけを気にしないという人もいて、放置されてしまうこともあるのですが、こと乾癬性関節炎においては放置は厳禁！なぜなら早期診断、早期治療により、その後の関節の損傷、変形、障害を防ぐことが期待できるからです。もしも関節に痛みや不具合を感じることがあったら、担当医にすぐにご相談ください！

普段、かゆみを我慢している反動でシャンプーの時にここぞとばかりに爪を立てて洗ってしまう方がいますが、それは逆効果です。「ケブネル現象」といって、皮膚症状が出ていない部分にまで新しく乾癬を広げてしまう可能性があるからです。ケブネル現象は皮膚をかくのはもちろん、服のこすれやメガネ、指輪などでも起きるので、なるべく皮膚を刺激しない習慣を身につけたいですね。かゆみは今、くすりでも軽減できるので、我慢できない方はお医者さんに相談してみてください。

乾癬は爪にも変化が現れやすく、爪が点状に陥没したり、あるいは変形や変色したりすることがあります。
これらの症状は爪白癬（水虫）に似ていてよく間違われることもあるので、皮膚科の専門医にちゃんと診てもらうようにしてください。

限られた診療時間のなかで、こちらの思いを先生に上手に伝えるのはなかなか難しいですよね。乾癬パートナーズの「あなたに合った治療が見つかる３つのポイント」でも詳しくご紹介していますが、まず治療におけるあなた自身の優先順位を決めてみてはいかがでしょう。
たとえば
①いま一番治したいこと、治療の理想を最初に伝える（例：かゆみをなんとかしたい）
②次に困っているポイントや経緯を伝える（例：かゆくて眠れない、背中に薬がぬれない等）
③治療方法や期間の希望を伝える（例：他の薬や治療があれば試してみたい等）
といった流れで、様々な希望や気持ちをいちどご自分の中で整理し、順番をつけることで、医師と上手にコミュニケーションがとれるかもしれませんよ。
こちらから、「あなたに合った治療が見つかる３つのポイント」のチェックシートにご自身のメモを記録しておくことができます。

それ、もしかしたら乾癬の種類の１つである乾癬性関節炎（関節症性乾癬）かもしれません。
乾癬性関節炎は、皮膚症状が先行して発症することが多く、のちに手足の指等の関節の痛みや腫れなどを生じます。中には進行すると関節が変形する場合もあるので、すぐに担当医に相談してみてください。

乾癬パートナーズ 「もしかして乾癬性関節炎？」
https://www.kansen-partners.jp/textbook/types/psoriatic-arthritis/

そういうことでしたら、最寄りの患者会をたずねてみてはいかがでしょう？
日本全国には多くの乾癬患者会があります。患者同士や各会の相談医、薬剤師や看護師といった医療者の方々と広くコミュニケーションが図れ、情報交換も行えますよ。
患者さん同士の交流を目的とした楽しいイベントを開催しているところもあるので緊張は不要。詳しくは担当医に訪ねるか、直接、最寄りの患者会まで連絡してみてください。

「日本乾癬患者連合会」
http://jpa1029.com/kanjyakai/kanjyakai.html

乾癬パートナーズ　患者会取材記事「患者会に行ってみた」
https://www.kansen-partners.jp/patients-meetings/meeting01/

乾癬パートナーズに意見を寄せていただいた患者さんも、みなさん、同じ局面で似たような悩みや葛藤をお持ちでした。一概には言えませんが、もし治療方針や薬に対して疑問や希望がある場合は、まずは素直に医師に伝えてみてはいかがでしょうか？
文句ばかり、不満ばかり、ではダメですが、向き合った医師との間に信頼関係をつくりたい、という思いがそこにあるなら、きっと道がひらけていくことでしょう。

全国各地には23（一つの会は休会）の患者会があり、それぞれ、特徴ある活動を行っているようです。乾癬パートナーズが取材で訪れてインタビューした患者会の方は、知らない会にひとりで参加するのは誰でもちょっと不安ですよね、と患者さんの気持ちを配慮しつつ次のようなコメントを寄せてくださいました。

『学習会では医療講演会や患者体験談・患者さん同士の情報交換など相談医の先生方と協働して運営しているところもあり、中には温泉ツアーや海水浴も企画実行してる会もあります。参加した方々の声を聞くと「行ってみるまで不安だったけれど、行ってみたらみんな明るいし、乾癬に対するいろんな知識が得られて良かった」とみなさんおっしゃいます。居住地に関係なく入会は可能です。ご興味があればいちど顔を出してみてはいかがですか?』

「日本乾癬患者連合会」
http://jpa1029.com/kanjyakai/kanjyakai.html

乾癬パートナーズ　患者会取材記事「患者会に行ってみた」
https://www.kansen-partners.jp/patients-meetings/meeting01/

乾癬の皮疹は全身のどの部分にも出ますが、とくに髪の毛で物理的な刺激を受け続ける頭皮や生え際には症状が出やすいと言われています。塗り薬は頭皮の乾癬にももちろん有効ですので医師にまず頭皮を診断してもらい、指示を仰いでください。
医師の処方する薬のなかには、頭皮治療用のシャンプーなどもありますし、また飲み薬や注射剤でも頭皮の乾癬に効果があるものがありますので、あなたのライフスタイルにあわせて希望の治療法が選べると思いますよ。よく医師と相談してみましょう。

それはお困りですね。とくに制服を着て仕事をしている女性にとって頭の鱗屑はとても大きな悩みです。私たちがインタビューした先輩乾癬患者のYさんの工夫をここではご紹介しましょう。Yさんは櫛を使うと鱗屑が出続けるので、乾いたタオルを使ってさっと払っているそうです。タオルだと細かい鱗屑もきれいに取れて制服も汚さないのだとか。
あなたも、ぜひ試してみてください。

ストレスは乾癬の大きな原因のひとつと言われていますから、求職中の色々な気苦労が重なって乾癬がまた出てしまったのかもしれませんね。
また、肥満や喫煙も、乾癬を引き起こす要因のひとつであることが最近の研究でわかってきています。
タバコを我慢しすぎてストレスがさらに溜まるのもよくありませんが、乾癬治療をうまく進めるためにも、せっかく守ってきた禁煙、ぜひ復活させてほしいものです。

乾癬において家族のサポートは非常に大切なのですが、ご家族ごとにとりまく事情が異なるため一概に「こうするのがいい」という雛形がないのが難しいところです。
私たちが患者さんから伺ったお話をご紹介すると、
「家族からの過度な心配は逆に神経を逆撫でする」「本人以上に一喜一憂しないでほしい」
「過度な干渉はしないでほしい。ただそこにいてくれるだけで十分に支えになっているから」といった意見が多かったように思います。全てのケースで皆同じ考えではありませんし、難しいかもしれませんが、何事もないかのように自然体で接することが、いちばん大事なのかもしれません。

あまり知られていないことですが、乾癬治療薬のなかには、服用することで献血の対象外となってしまうお薬もあります。すべての薬が対象外になるわけではなく、習慣として献血を続けている患者さんも、もちろんいらっしゃいます。くわしくは薬剤師や担当医に問い合わせてみましょう。

オムツを替えたり、汗をふいたり、ママと乳幼児はスキンシップの連続です。このママのように自身の顔や手に塗っている塗り薬が赤ちゃんと触れ合うことで赤ちゃんについてしまうことを心配する方も多いですよね。ライフスタイルにあわせた薬の変更、選択もいまは比較的、柔軟にできる時代です。担当医とよく話し合われてみるのがいいでしょう。

先輩患者さんから乾癬パートナーズが伺ったアドバイスをご紹介しましょう。
この女性は膝や膝裏、臀部などに症状が出ていて、患部をこすって刺激するパンツやスカートが履けずに悩んでいましたが、ゆったりシルエットのロングスカートを試したところ、患部への接触が極端に減って快適に過ごせたそうですよ。あなたもぜひ試してみてはいかがですか？　

乾癬パートナーズで過去にインタビューした女性患者さんは、同じような境遇にあい、全身を包むスパッツ型の水着で乾癬の部分を見えなくして事を収めたそうです。
乾癬だからと、やりたいことや行きたい場所を諦めない、そんなたくましい工夫は素晴らしいですね！
あなたも負けないで水泳を楽しんでください。

ブラシが先端についたエアブラシを使って、キーボードの間の溝をなぞったり、空気圧で飛ばしたりしながら掃除するとよいそうですよ。また、ゲル状の粘着シートをかぶせてはがす方法も効果的だとか。いずれも100円ショップなどでも入手できるそうなので探してみてください。

乾癬の患者さんがいるご家庭ではコロコロ（粘着ローラー）は必需品となっていますが、布団のダニや花粉、ペットの毛を吸い取る掃除機専用のアタッチメントをつけて掃除機をかけると、ベッドや布団の細かな鱗屑も綺麗に取れるそうですよ。試してみてはいかがでしょう。

そのお気持ちよくわかります。寝ている間に日頃の我慢が爆発して掻きまくってしまうひと、大勢いらっしゃるようですね。自衛策として大きな手袋やボクシングのグローブのようなものをして寝ている方もいらっしゃるようですが、いずれにしても不快なものですよね。
かゆみ止めや、かゆみに対して比較的効果のある乾癬治療薬に変えてみるのもひとつの方法です。いちど、担当の医師に相談してみてはいかがでしょう？

夏より冬の方が乾癬の症状がひどくなる、という方は多いかもしれませんね。
冬季は乾燥しやすいことに加え、日照時間が減少。長袖や長ズボン、あるいはチクチクするセーターなど衣類による皮膚への刺激も増え、症状悪化を訴える患者さんが多くなる傾向にあります。皮膚にダメージを与えるほどの日光浴は論外ですが、実際、適度に肌を太陽光に晒すことは、乾癬治療によい効果を生むと言われています。これを応用した治療法のひとつに光線療法があり、症状によっては塗り薬や飲み薬と併用することもあります。

世界には1億2,500万人の乾癬患者さんがいるといわれていますが、毎年10月29日に開催される世界乾癬デーは、乾癬の認知度向上のために世界中の患者さんや家族、医療関係者が、みなで団結し乾癬という病気への正しい理解や意識の向上をはかる世界的大イベントです。

一概には言えませんが、秋から冬にかけて症状が悪くなる患者さんのほうが多いようです。これは日光にあたる時間が減り、また皮膚が乾燥して刺激に対して弱くなるからだと考えられています。冬は意識的に日光にあたり、つねに保湿をこころがけて肌が乾燥しないようケアしましょう。
また夏は肌がべたべたして塗り薬を塗りたくない、という患者さんが症状を悪化させがちです。ローションタイプや飲み薬への変更などを医師へ相談してみるのもいいでしょう。

乾癬の症状を悪化させないためには肌に余計な刺激を与えないことが大事。
おっしゃるとおり、たとえば湯上りに肌が赤くなるような温度での入浴は控えるようにしてください。また、髪やからだはできるだけやさしく洗うことを心がけ、患部をこすったり、鱗屑を無理に剥がしたりしないようにしましょう。
肌に優しい低刺激の石鹸やシャンプーをつかうのも、いいかもしれません。

乾癬は膝や肘、背中、頭皮など摩擦による刺激を受けやすい部位に出がちです。このため直接肌にふれる肌着や服についても、なるべくやわらかくて肌にやさしい素材のものを選ぶのがよいでしょう。
素材だけでなく、肌に余計な刺激を与えないために、サイズがきつめのものは避け、ゆったりとしたデザインのものを選ぶのもコツです。

治療歴の長いベテラン患者さんに話をお聞きすると、みなさん一様に
「症状の波に一喜一憂せず淡々と向き合って行くことがいちばんいい。あまり考え込まないこと」とおっしゃいます。
状態が良い時もあれば悪い時もあるのが乾癬、と、なるべく楽観的にとらえ、自分を追い込まないようにしてくださいね。
乾癬はストレスや肥満、喫煙とも深い関係があると言われていますが、日頃からストレスをためすぎないよう、そしてできるだけ健康的な生活を目指されてはいかがでしょう。

残念ながら、乾癬に効果的な市販薬は現在のところありません。
どうしてもお医者さんに行けない時もありますよね。肌が乾燥すると、乾癬が悪化しやすくなります。とくに入浴後や冬期は肌が乾燥しやすいので、保湿クリームなどで保湿ケアを心がけましょう。
ただ、この10 数年の進歩で、塗り薬をはじめ飲み薬、光線療法、注射剤と乾癬の患者さんは、自分の症状にあわせてさまざまな治療方法を選択できるようになってきています。まずは専門医とよくご相談されて、あなたに最適な治療をみつけてください！

乾癬治療の最前線で働くある皮膚科の先生は感慨深げにこう言いました。
「ここ10数年の皮膚科領域でいちばんめざましい進歩を遂とげたのは乾癬の治療じゃないかな。過去の患者さんを思い出すとき、いまだったらもっといい治療をしてあげられたのに、と悔しい気持ちになりますよ」
その言葉どおり、その発症原因も日々、解明されつつあり、「塗り薬」「飲み薬」「光線療法」あるいは「注射剤」といった多彩な治療オプションも充実。患者さんはそれぞれの治療環境にあわせて「自分にあった治療」で乾癬をコントロールできる時代になってきています。

いろいろな患者さんご家族のお話を聞くと「かまい過ぎず、ほっとき過ぎずのちょうどよい距離感で接するのが大事」という答えが多かったようです。
ちょうどよい距離感とひとことで言っても、ご主人の性格や症状、治療法によってもサポートの仕方は違うと思いますし、まずはどんなサポートが必要か、あるいは何が不要なのかをご主人といちど話し合われてみてはいかがでしょう。
夜、その日にあったことをお互い語り合いながら、夫の背中に塗り薬を塗るのが夫婦のふれあいタイム、と答えてくださった奥様もいらっしゃいましたよ。

『社員旅行で温泉にいくからそのタイミングで症状を抑えたい』
『夏はミニスカートを履きたいからその間は肌をきれいにしたい』
と、あなたのように目標を決めて前向きに治療をしている方が実はたくさんいます。
薬を変えたり、組み合わせたりして、いまは計画的に症状を抑えていくことが、比較的可能になってきています。担当医とよく相談のうえ、先生と一緒に無理のない治療計画をたててみましょう。

「かんせん」という響きで「感染」と誤解されてしまうこともある乾癬ですが、ひとにうつる病気ではありません。プールや温泉に一緒に入ったり、直接患部を触っても他人にはうつりませんのでご安心ください。

乾癬は免疫バランスの異常が原因とされており、感染症ではありません。
そのことからもうつる病気ではないことがわかりますね。

ふやけた鱗屑りんせつをお風呂ですべて取り除く方がよくいらっしゃいますが、治りを遅くするだけでなく「ケブネル現象」といって、肌に無用な刺激を与え、症状を悪化させてしまう原因になります。
お風呂できれいにしたい、というお気持ちはよくわかりますが、鱗屑はなるべく刺激しないようにしましょう。

塗り薬には、ビタミンD₃外用剤、ステロイド外用剤、それらを混合した配合薬などがあります。仕事や家事で決められた回数を守れないという方もいるかと思いますが、あなたはいかがでしょう？
用法、用量をきちんと守り続けているのに効果が出ない、という方には飲み薬や光線療法を組み合わせたり、さらにワンステップあげて注射剤という選択肢もありますので、医師によく相談してみましょう。

治り方というより、治療方法の選択肢が病院によってかわってきます。 乾癬治療は塗り薬、飲み薬、光線療法、注射剤などさまざまなバリエーションがありますが、たとえば注射（生物学的製剤）は大学病院などの大規模な病院で実施されることが多いです。「どちらがよい、というのではなく、病気の状態や治療目標を整理して先生に相談してみるのが良いのではないでしょうか？」