乾癬を病気だとは思っていません。体質のひとつだと思っています。
ーK・Tさん
- 病名 尋常性乾癬
- 症状 ひじ、背中、ふともも
- 病歴 20年
- 職業 保険代理店経営
- 年齢 40代
思い返せば小学生の頃からひじがカサカサしていた、というKさん。同じような症状をもつ父親がKさんが大学に入る頃に乾癬と診断されたことから「もしかしたらお前も乾癬かもしれない」と言われ、その時初めてこの病気を意識するようになったと言います。
最初に病院にかかったのは28歳のころ。ひじから太もも、背中と、服が擦れる場所全般に症状が広がり鱗屑が出ましたが処方された塗り薬が効いて、以後は塗り薬主体の治療スタイルへ。
「30代後半から40代がとくにひどかったですね。その頃にはもう最初の塗り薬が思うほど効果が出なくなっていたので、病院を変えれば薬も変えてくれるかもしれない、とドクターショッピングを重ねたりもしました。漢方なども試しましたが何しろ高いし僕にはあまり効かなかったように思います」
そんなKさんが飲み薬を選んだのは仕事上のストレスがマックスだったという昨年のこと。 「おなかも背中もズルムケになっちゃうほどひどくて、シーツも血だらけ。それでも掻いてしまうので、夜は手にタオルを巻きつけて寝ている状態でした」
これは塗り薬の適応を超えている、と医師から言われ検査結果にあわせた3方向の治療方針を提示されたといいます。
「塗り薬しか頭になかったのですが、その医師は飲み薬の存在はもちろん、症状の段階にあわせて落ち着いている時はコレ、ひどい時はコレ、もっとひどくなったらコレという、患者目線のわかりやすい説明をしてくれたんです。この医師は信じられる、と思いました」
現在は症状にあわせて飲み薬と塗り薬を組み合わせ、乾癬と向き合っています。
「完治はしないのかもしれませんが、信用できる医師と出会い、前向きに治療しさえすれば、コントロール可能であることが経験的にわかってきました。今は自分で乾癬をコントロールできているような気がして、それが嬉しいですね。私は乾癬を病気とはおもっていません。体質のひとつ、ぐらいに考えて悩まないようにするのがいちばんですよ」
そう明るく話すKさん。ご自身が経営する保険代理店の仲間たちも乾癬への理解は深いといいます。
「鱗屑が気になるときは、ちょっと汚しちゃうかもしれないけど許してね、とスタッフへ先に言っちゃいます。皮膚が落ちたら自分で掃除機かければいいんですよ。ははは」
商社出身でスペインやコロンビア、パナマなどにも駐在経験のある国際派のKさんは、ワインが趣味。日本には流通しない『カヴァ』を自分でワイナリーに仕入れにいくほどのアクティブさは、こんな前向きな気持ちが原動力になっているのですね、きっと。
3つのポイントお医者さんと自分にあった治療法を相談するためのチェックシート