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悪い状態が続くと、どんどん悪循環に入ってしまう。乾癬は、いい状態をできるだけ長く続けることが、予防にもつながるんです。

ー東京 三田皮膚科 神田 弘貴 先生

多くの企業が軒を並べるJR田町駅駅前にある三田皮膚科には、地域特性そのままにスーツ姿のビジネスマンやOLの患者さんたちが目立ちます。

「乾癬は働き盛りに多いといわれていますが、会社の上下関係で悩んだり、飲み会や接待などで体調を狂わせてしまう患者さんも多いですね」

15年ほど前は処方も塗り薬のみで、患者さんに対しても日常生活でどの部分を妥協してもらうかを考えるのが中心だったと言いますが

「内服薬(飲み薬)が出てきてからは、はっきりと治療効果が見えるようになりました。人により効く薬が違ったり、効果が出るまでの時間はまちまちですが、治療の選択肢がかなり広がったのは事実です。今は注射剤もありますし、研究もどんどん進んでいます。コストの問題はありますが、患者さんにはいろんな選択肢に前向きにチャレンジしてほしいですね」

実際、飲み薬に変えたある患者さんから「何年ぶりかに社員旅行に行けました」と報告された時の満面の笑みが忘れられない、と語った神田先生。

「治療を勝手にやめて症状をどんどん悪化させてしまう患者さんがいますが、いまはいろんな治療方法を組み合わせて病気になる前と変わらない日常を手に入れることも可能なんです。いい状態を続けることが、結局、いちばんの予防にもなると僕は思っています」

多くの論文を執筆する学者でもある神田先生。取材終了後、症状の定点観察のために使うカメラについて、現場のカメラマンと楽しそうにカメラ談義するその瞳には多くの患者さんをやさしく見つめる慈愛が溢れているようでした。

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