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目の悪い人がメガネをかける、そんな普通の感覚で乾癬患者が引け目を感じず治療に取り組める世の中が理想。

ー東京 聖路加国際病院 看護師 金児 玉青 さん

「私自身が乾癬になった夢を見たんです。全身に広がる紅斑や鱗屑のあの感覚…。目覚めた後も非常に気分が落ち込みました。夢でさえこんな気分になるのだから、実際に乾癬と向き合う患者さんはどれほど辛いのかと…」新人看護師時代、実際に乾癬患者の苦しみを目の当たりにして、金児さんは乾癬患者サポートへの気持ちが高まったといいます。

当時は医師も患者さんに対して『この病気は治らない』と説明するのが標準でしたが、もっと患者さんの気持ちに寄り添った支援の仕方はないだろうか、と常に考え、薬の種類をわかりやすくまとめた患者さん説明用の資料も独自で作ったりしていた金児さん。そのサポートの想いはやがて乾癬学会への参加、そして2002年、東京乾癬の会という患者会発足協力へとつながっていきます。そんな金児さんは、乾癬治療の基本は塗り薬にある、とおっしゃいます。

「症状が小さくなったり薄くなったりするのを自分の目でしっかり確かめながら薬を塗ってほしいんです。自分が触れて、塗れない部分は家族が触れて、昨日と違う肌を実感しながら、少しずつ良くなるイメージを自分で持つって大事なことなんです」

一部の誤った情報で民間療法や怪しい商品に傾いてしまう患者さんがいることがとても悔しい、と語る金児さん。

「乾癬は免疫バランスの乱れが原因の病気だという正しい知識を持ってほしいです。そして勇気をもって一歩踏み出してみましょう。雨が降るかどうか気にしすぎて外へ出られないのは、なんてもったいないんだろう、と気づいてほしい」

乾癬患者に寄り添い続ける金児さんの言葉には、一語一語に大きな愛が溢れています。

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