乾癬と向き合う 患者と医師の二人三脚ストーリー

コーナー監修:帝京大学医学部皮膚科学講座 主任教授 多田弥生先生

Story 3

病名:尋常性乾癬 
症状:下肢から全身に広がった皮膚症状 
病歴:40年 
年齢:70代

治療の主役はあくまで患者さん。患者さんご自身で選び納得した「治療法」を続けることが大事です。

厚生連滑川病院
皮膚科医長
 十河 香奈 先生

新しい治療法を勧められたときは、正直、不安もありました。でも先生を信じて、一歩踏み出してみて良かった。

Y.Aさん

起

全国を巡り、医薬品の配置販売をしていたYさんが乾癬に罹患したのは今から40年ほど前のこと。「医者に行ったら《一生治らない病気です》と言われてショックだったのを覚えています。当時はまだ治療薬も少なく、入院して光線治療などをした記憶がありますね。退院後は主に塗り薬を使っていましたが、仕事柄、毎日、旅館を泊まり歩く暮らしだったので、明るい間は温泉なども入りづらかったなぁ。旅館の人に悪いから、畳に落ちた鱗屑を自前の箒と塵取りで掃除するなんてこともしていましたね」

承

一生つきあうしかない、と半ばあきらめつつも、きちんと薬を用い(塗り薬2種類と免疫抑制剤)、光線治療も定期的に続けたYさんでしたが、毎日の生活では周囲に気を使い、症状がなければどれだけよいだろうか、とそれなりに苦しんでいました。仕事のかたわら家業の米作りも支えていたYさんの症状はストレスや過労もあり、なかなか良くなりませんでした。「太ももに出た最初の発疹は、やがて全身に広がり、腰、足、お尻、それとおでこの皮疹がとくにひどかったねぇ」そんな時、膝関節の痛みの治療で訪れた病院で紹介されたのが十河先生でした。

転

Yさんの症状と治療経緯を鑑み、先生は新たな治療を提案します。「Yさんは治療歴も40年と長く、免疫抑制剤の長期服用ですこし腎機能も落ちてきていました。それでも皮疹が全身に出続けていたこともあり、新しいアプローチの必要性を感じたんです」十河先生から新しい治療法(注射)の長所、短所をきちんと説明されたYさんも、先生を信頼して未経験の治療へと踏み出し、いまは、ほとんど症状のない良好な状態を保っているといいます。

結

「一番喜んだのは私より家族でしたね、思い切って治療を変えてよかった!」そう語るYさんは、以前は最後の順番だったというお風呂に、いまは一番で入っている、と笑います。そんなYさんを優しく見つめ「私は様々な治療選択肢をいい点、悪い点含め患者さんにご説明しますが、決めるのはあくまで患者さんです。受身の治療では仮にうまくいかなかった場合、余計がっかりしてしまうし、前向きに治療を続けていくためにも、患者さんご自身で選び納得した「治療法」を続けることがとても大事です」と十河先生。二人の二人三脚はこの先もずっと続いていきます。

Yさんに学ぶあなたの治療のヒント!

乾癬が治らない、あるいは治療選択肢がないと言われたのはかなり昔の話です。過去、治療をあきらめてしまったり、通院をやめてしまった患者さん、日々進化する乾癬治療の今を知ってください!

十河先生からのワンポイントアドバイス

患者さんの希望を伝えてもらえば、医師はそれに応えるアプローチを何通りか提案することができます。「◯月ごろまでに肌をきれいにしたい」「温泉に行きたい」「かゆみをとりたい」など、あなたにもいろいろ希望があることでしょう。「先生1ついいですか?」とまずは担当医に語りかけ、その希望を率直に伝えてみてはいかがでしょう。

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