手のひら、足の裏に水疱や膿疱がくり返し現れます
  • 掌蹠膿疱症の皮疹は、基本的に水疱→膿疱・痂疲(かひ)→鱗屑・落屑(りんせつ・らくせつ)の経過をたどり、これらの変化が混在して成り立ちます。病変部の皮膚表面は赤い色調をとることが多く、紅斑(こうはん)となります1)
  • 症状と合わせて、かゆみや痛みが生じたりします。
写真_掌蹠膿疱症の皮疹

掌蹠膿疱症の皮疹

画像提供:村上 正基 先生

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皮膚の症状の経過

水疱

写真_水疱

水疱ができるときには、かゆみを伴うことがあります。

膿疱・痂疲

写真_膿疱・痂疲

水疱が白く変化して膿疱になります。時間がたつと乾いてかさぶたのような痂疲になります。

鱗屑・落屑

写真_鱗屑・落屑

皮膚表面が剥いてカサカサした鱗屑となり、剥がれ落ちると落屑となります。

画像提供:村上 正基 先生

イラスト_手のひら、足の裏に水疱や膿疱がくり返し現れます
  • 手のひらでは、親指や小指の付け根、手のひらの中央などに主に症状が現れます。
  • 足の裏では、足の裏の外側、足の裏の内側[土踏(つちふ)まず]、かかと、足の裏と足の甲の境界などに主に症状が現れます1,2)
  • 足の裏では、足の裏の外側、足の裏の内側[土踏(つちふ)まず]、かかと、足の裏と足の甲の境界などに主に症状が現れます1,2)
爪や足の甲、膝などにも症状が現れることがあります
  • 爪の表面が変形する、爪が変色したりはがれたりする、爪の下の組織が厚くなる、爪の周囲が赤くなるといった爪の症状が現れることもあります1,3)
  • 足の甲、膝、すね、おしり、肘などにも、落屑を伴う紅斑や膿疱が生じることがあり、「掌蹠外病変(しょうせきがいびょうへん)」とよばれます。
写真_爪や足の甲、膝などにも症状が現れることがあります

画像提供:村上 正基 先生

骨や関節に痛みや腫れなどが現れることがあります
  • 骨や関節にも症状が現れることがあり、「掌蹠膿疱症性骨関節炎(しょうせきのうほうしょうせいこつかんせつえん)」とよばれます。
  • 骨と腱(けん)をつないでいる部分や骨に炎症が起き、骨や関節に強い痛みが生じたり、関節が腫れたりします。皮膚の症状とほぼ同時期、あるいは、それより前に現れることもあります1)
  • 骨や関節の症状は、胸骨(きょうこつ:胸の前側にある骨)と鎖骨がつながっている部分[胸鎖関節(きょうさかんせつ)]に生じることが多いです。
  • ほかに脊椎(せきつい)、仙腸関節(せんちょうかんせつ: 腰の骨)、肩や膝の関節にもみられます1)
  • イラスト_骨や関節に痛みや腫れなどが現れることがあります骨や関節の症状は、胸骨(きょうこつ:胸の前側にある骨)と鎖骨がつながっている部分[胸鎖関節(きょうさかんせつ)]に生じることが多いです。
  • ほかに脊椎(せきつい)、仙腸関節(せんちょうかんせつ: 腰の骨)、肩や膝の関節にもみられます1)
イラスト_骨や関節に痛みや腫れなどが現れることがあります

1)掌蹠膿疱症診療の手引き策定委員会: 日皮会誌. 132: 2055-2113, 2022

2)遠藤麻衣: PPPフロンティア vol.3: 11-13, 2019

3)平岩朋子, ほか: PPPフロンティア vol.1: 15-17, 2016