乾癬ヘアサロン

髪のプロと学ぶ、乾癬と頭皮とケアのお話

頭皮と髪のプロだから知っておきたい
乾癬かんせんの知識

第3回
「乾癬」の患者さんは、美容師に何を求めているのか?

ACQUAディレクター
小村 順子さん

とちぎ乾癬友の会、一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会
山下 織江さん

 「乾癬」は、免疫バランスの異常が起こり、主に皮膚に症状が現れる病気です。決して人にうつる病気ではありませんが、「感染する病気」だと勘違いされることもあり、患者さんにとって大きな悩みとなっています。
 今回は、乾癬の患者さんでもあり、とちぎ乾癬友の会や一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会で活動をしている山下織江さんをお迎えして、患者さんの悩みや美容師に求めることを中心に、ACQUAディレクターの小村順子さんにお話を伺っていただきます。

ヘアドクターとして美容師が、「乾癬」の知識を持てば、ヘアスアイルを通して、患者さんに希望を与えられるかもしれない。

ACQUA 小村 順子さん

「乾癬」という病気が、社会全体に広く知れ渡っていけば、美容室でも、自分の病気のことを話しやすくなると思います。

とちぎ乾癬友の会、一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会 山下 織江さん

「乾癬」と言うと、「感染する病気」だと思われそうで、怖くて言えなかった。

―――山下さんは、いつ頃「乾癬」を発症されたんですか?

山下 私は13歳で「乾癬」を発症して、20年以上になります。頭皮の乾癬から始まり、ひどい時には、頭を振っただけで「鱗屑」というフケのようなものが、どんどん落ちていました。おしゃれに興味を持ち始めた時期でもあったので、母には、使っているシャンプーや髪のまとめ方が良くないんじゃないかと言われ、すごく傷つきました。その後、徐々に全身や関節に「乾癬」の症状が出てきて、長袖・長ズボンという格好しかできなくて、髪も短く、おしゃれを楽しめない辛い経験をしました。

小村 多感な時期だけに、辛かったですよね。

山下 とにかく治らない。それが患者にとって、一番のストレスです。私は3年前から、新しい治療を始めたことで症状が良くなり、人生がガラリと変わりました。ところで、頭皮のトラブルというのは、ほかにもいろいろあるのでしょうか?

小村 少し頭皮に痒みがある方から、アトピーや円形脱毛症などさまざまあります。今回「乾癬」という病気を知って、「これまでのお客様にいらしたかな?」と振り返ってみましたが、思い当たらないです。きっと認識不足で、一括りにアトピーと思っていたかもしれないです。

山下 私も美容室でアトピーだと言っていました。「乾癬」と言ったら、美容師さんが「感染するの?」と思われるんじゃないかと怖くて。「アトピーのようなもので、お医者さんにちゃんと診てもらっています。なかなか治りにくい病気なんです」と説明していました。そうすると、美容師さんが少しでも良くなるように、「シャンプーはこれがいいよ」「こういう風に洗ったほうがいいよ」って教えてくれるんですが、1~2ヵ月後に同じ美容室に行くと、患部が治っていない。だから、美容師さんの思いに応えられない自分が、心苦しくてうまく関係を築けず、美容室をあちこち転々としていました。

小村 そうなると美容室に行くたびに、一から説明しないといけないので、美容室に行くこと自体が面倒になりますよね。

山下 そうなんです。だから、ヘアスタイルはおしゃれできなくて、髪を縛っておける程度の長さにして。前髪は自分で切っていました。

患部のことを聞かれても嫌だけど、
聞かれないのも嫌、
という微妙な心理。

小村 頭皮にトラブルがある方に、「これは聞いていいのかな?」「踏み込んでいいのかな?」と思うこともあって、すごい気になっても、お客様から言われない限りは、「これどうしたんですか?」と聞けないもどかしさを感じた経験もあります。

山下 聞かれても嫌だし、聞かれなくても嫌なんです。美容室に行くたびに、そういう緊張感があって、「美容師さんも分かっているな」と感じるんですけど、上手に説明が出来ないから、病気のことを言えませんでした。

小村 初めて来店した美容室で、こういう風に聞かれたら、言いやすいとか、逆に嫌だということはあるのでしょうか?

山下 私の場合はざっくばらんに「どうしたの?」と聞いてくれたほうがいいんですけど、それはきっと、私が乾癬歴が長くて、いろいろなことを経験したからだと思うんです。だから、「乾癬」という病気が、広く社会に伝わっていけば、美容室で「これは何?」と言われた時にも、「乾癬でね」と言いやすくなると思います。美容師さんには、乾癬の方にどのように対応したらいいかという知識を持ってもらえたら、患者にとって嬉しいことです。

小村 私は20数年美容師をやっていますが、頭皮の状況は常に変わるので、20年間通ってくださっているお客様でも、毎回、頭皮や髪、肌などの変化を見逃さないようにして、聞くべきことは聞くようにしています。「ヘアドクター」という意識で仕事をしていますので。

山下 今は、地元の美容室で、まさに小村さんがおっしゃるようにヘアドクターって感じで、何でも悩みを相談できる美容師さんのところに通っています。髪が決まるとすごく嬉しくて、自信にもつながります。乾癬の治療にも、積極的になれるんです。だから、乾癬の患者が通いやすい美容室が、増えてくれたら嬉しいです。

小村 どんな方でも、ヘアスタイルはメンタルに影響します。だから、美容師は髪を切るだけではなくて、その人のライフスタイルや悩みに合わせて、気持ちまでくみ取ってあげられる美容師が増えると、お客様が気を遣わなくて済むのかなと思います。美容師が乾癬のことを知っていれば、その方の気持ちを変えることもできると思います。山下さんは、すごく良い美容師さんにめぐり会えてよかったですね。

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