フットボールアワーのふたりが乾癬患者さんと会ってみた!
フットボールアワーのふたりが乾癬患者さんと会ってみた!

フットのふたりが、乾癬患者さんの本音や治療法の進歩などに迫るトーク第3弾は、乾癬をもっていることで患者さんが日々感じる苦労や対処法などについてのお話。その切実な内容に思わず身を乗り出し聞き入るフットのふたり。病気に加え、人の「視線」とも向き合わなければならない患者さんの気持を知ったフットが乾癬の真実に熱く迫ります。(全6回)

第3回
フット、乾癬患者さんの苦労を知るの巻

(フット岩尾):「乾癬の患者さんは服選びが
楽しめていないこと、初めて知りました」

後藤:ということでね、乾癬は皮膚に症状がでる病気ですけども、たとえば外に出るときに、周りの目が気になるとか皮膚をなるべく見えないように隠したりといった悩みやご苦労はやっぱりあったんですか山下さん?

山下さん:私はおしゃれに興味が出始める10代の初めに乾癬になったので、すごく葛藤がありましたね。おしゃれはしたいけれど、肌は絶対出したくないので、好きな服が全然着られなかったです。皮疹を隠すために、夏でも長袖長ズボン着たりとか。

岩尾:夏に!?そりゃ大変だったでしょう…

山下さん:はい。あとは私は頭皮の乾癬がひどかったので、フケ(鱗屑)が気になって基本的には白っぽい服ばかり着てました。だから色の濃い制服を着るのがとっても嫌だったんですよ。とにかくおしゃれできないのがとても辛かったのを覚えていますね。 

山下織江さん とちぎ乾癬友の会 /INSPIRE JAPAN WPD理事

後藤:多感な頃ですもんねぇ。いろいろ大変な思いをされてきたんですね。角田さんはいかがでしたか?

角田さん:私は子供を2人産んだ30代はじめに乾癬になったんですけど、ちょうどおしゃれなママさん世代が増えてきた時代で、綺麗にしている周りのママ友さんを見ると、すごく羨ましかったんですよね。私もとにかく服には苦労しましたから…

後藤:といいますと?

角田さん:まずね、試着ができないんですよ。鱗屑といわれるかさぶたのような白い皮膚片が、服を脱いだり着たりするたびに床にボロボロ落ちちゃって…

後藤&岩尾:ハァ〜そうかぁ、そこまでは気づかんかった〜!

角田さん:だから「こちらの試着室へどうぞ」なんて店員が案内してくれるようなおしゃれなお店は恐くて行けませんでしたね。なので、誰もついてこないスーパーとかの試着室にガムテープを持って入るんですよ。で、試着したあと、床に落ちたり服についてしまった鱗屑をテープでとって掃除するんですけど、たまに「私何やってんだろう?」って無性に虚しい気分になってしまうこともあってね…

岩尾:そんなご苦労があったんですね。じゃぁ、試着しないでサイズの合わない服を買っちゃったこともあるんですか?

角田さん:えぇ、そんな失敗もしてきましたねぇ。でもたとえば、セレモニー用にどうしても服を買わなくちゃいけない時ってあるでしょ?卒業式とか入学式とか。そういう時は、あらかじめ長袖とピタッとしたスパッツを履いてばっちり鱗屑対策してから服を買いに行くんです。ほんとあの頃はけっこう工夫したなぁ(笑)

岩尾:洋服選びって本来は楽しいものなのに、乾癬の患者さんにはそんな気苦労があるんですね。なんか初めて自分ごとのように、そのご苦労や思いが胸に迫りました…。

角田さん:もともと乾癬の患者さんてね、服とかが擦れるところから乾癬が広がったり酷くなっちゃったりするんですよ、それをケブネル現象っていうんですけど…

岩尾:あー、それそれ、それも「KANSEN TEST」で出題されてましたねぇ。

角田さん:メガネの当たる耳や鼻とかアクセサリーが当たる首筋とか、男性だとズボンのベルト辺りとかね。とにかく肌を擦ったり刺激しがちな服は乾癬患者さんにとっては鬼門なんですよ。きつくない、ゆったりめの服を着る患者さんも多いですよ。

後藤:なるほど、そういう「あるある」もあるんですね。

角田さん:今は笑って話せるけど、その当時は悲しかったです。

(フット後藤):「症状がよくなることで
家族も笑顔になるって、いい話ですね!」

岩尾:そうですよね着たい服が着れないのはきついですよね

後藤:女性やから特にね。

角田さん:私がいちばん悔しかったのは、スカートがはけなかったことですね。とにかく足の症状がひどかったので、ストッキングをはいてても、どうしても目立つんです。だから子供たちの入学式や卒業式などの時、ひとりだけパンツスーツみたいな。今でこそパンツスーツって普通ですけど、当時、そんなになかったので逆に目立っちゃうんですよね。

後藤:お子さんもちょっと気になりますよねぇ、おかんが目立っちゃうと(笑)

角田さん:そうなんですよ、でね、その後いい先生、いい治療に出会って乾癬がきれいになったときがちょうどまた子供たちの入学、卒業の年と重なったんですけど、初めてね、スカートはいて行ったんですよ!そしたら息子が驚きながら「おかんがスカートはいてる!」ってニコニコしながら私の足を触るんですよ(笑)。いやあの時の感動はね、ほんとそんな些細なことなんですけど、もううれしくてうれしくて…

角田洋子さん 群馬乾癬友の会 会長/INSPIRE JAPAN WPD 理事

岩尾:皮膚の見た目に配慮する乾癬の人にとって、普通なことが普通にできるってことがどれほど幸せか、ってことですよね。

後藤:角田さんの乾癬がよくなることでご家族まで笑顔になれたって素敵な話ですね。実際、乾癬になって治療を続けていく時に「家族」の理解とかサポートっていうものは、やっぱり重要になってくるんでしょうか?

山下さん:私が乾癬になった頃はまだ乾癬への理解が乏しい時代だったこともあって、家族には私自身の生活リズムが良くないんじゃないか?使っているシャンプーや洗い方が良くないんじゃないか?とかまるで私が悪いように思われて、最初の頃は辛い思いもしましたね。

角田さん:私も病院から帰って「乾癬っていう病気らしい」とだけ家族に伝えたんですが、医師に治らない病気と言われたショックもあり、自分がそんな病気になっていることを家族に知られたくなくて、最初は薬もトイレで隠れて塗っていたんですよ。ドアノブがベタベタしてるのを家族が「わー汚い」なんて言っているのを聞いてますます言いづらくなっちゃって…。

後藤:うわー、それはつらいなぁ。

山下さん:ひとにうつる病気だという誤解がまだまだあるので、私も結婚前、今の夫とおつきあいしている段階で、自分が乾癬であることやどんな症状が出るかをちゃんと話したんです。これから一生を共にしていく人にはちゃんとわかってもらったほうがいいと思って。だから、これから結婚や異性との交際をしていく若い患者さんには私のような苦労をして欲しくない。そのためには、やっぱり乾癬への理解がもっともっと広がってほしいですね。

(フット岩尾):「乾癬の誤解を解くため
ぼくたちも精一杯がんばらなくちゃ!」

岩尾:確かに「KANSEN TEST」でも同じプールに入ったらうつる?うつらない?みたいな出題がありましたが、たとえば角田さんは、そういった偏見であったり何か周りから嫌な思いをさせられた、という経験、ありましたか?

角田さん:あります!あります!(笑) 乾癬って良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いのですが、ちょっと良くなった時に、あ、これぐらいの肌なら温泉に行けるな、と思って近くの日帰り温泉に行ったんですよ。ちょうど私がお風呂から出て脱衣場に戻った時、温泉でほてっていたいたこともあり、皮疹が余計赤くなっちゃってたこともあったんでしょうけど、近くにいたおばちゃん2人がおもいっきり指差して「あんたねそれ飛火(とびひ…伝染性皮膚病)でしょ、そんな人が温泉なんか来て何考えてんの」って凄い勢いで怒鳴られちゃったんですよ。私はどう対処していいのかもわからなくて、もうオロオロして「違うんです違うんです〈とびひ〉じゃないんです」って言ったんですけど、向こうもエスカレートしちゃって、本当に髪の毛も濡れたまま逃げるようにその場を後にした、という苦〜い思い出がありますね。

後藤&岩尾:わぁ、それはひどすぎる〜

角田さん:でもね、乾癬という病気のことをそのおばちゃんがもし知ってたとしたら、そんなことは言わなかっただろうし、あのとき私も逃げ出さないで、おばさん、ちがうんだよ、これ乾癬っていう病気でねうつらないんだよ、って言えていればよかったんでしょうけど…。今だから笑って話せますが、そのあとしばらくは温泉は行けませんでしたもん、怖くて。

後藤:さっき山下さんも言ってましたが、だからやっぱり乾癬という病気を患者さん自身はもちろん、社会のみなさんにもっともっと知ってほしいですよね。みんなが乾癬を知れば、乾癬の人に対する周りの反応も必ず変わるはず!患者さんが胸を張って堂々と病気を語り、治療できる時代にしないといけませんね。

岩尾:お〜!いいこと言うやんか。「KANSEN TEST」僕より点数低かったのに(笑)

後藤:おまえそのセリフ、めっちゃ気に入ってるやろ!