乾癬の教科書

どんな治療法があるの?

治療の特徴

  • 乾癬は、よくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の病気です。適切な治療やケアによって、症状がよくなっている期間を長くすることができます。
  • 治療法は大きく分けて、塗り薬、光線療法、飲み薬、注射剤(生物学的製剤)の4種類があります。
  • 患者さんの症状や治療目標、治療効果などを考慮して、4つの治療法を単独あるいは組み合わせて行います。
症状の重さ 治療分類 具体例
軽い 塗り薬 ・ステロイド外用剤
・ビタミンD3外用剤
・配合薬
重い 飲み薬 ・PDE4阻害剤
・レチノイド製剤
・免疫抑制剤
注射剤 ・生物学的製剤

光線療法はナローバンドUVB療法※1、PUVA(プーヴァ)療法※2などがあり、塗り薬や一部の飲み薬と組み合わせることもあります。

※1 ナローバンドUVB療法 : 波長311nm付近の極めて狭い範囲のB波紫外線を照射する治療法

※2 PUVA(プーヴァ)療法 : 光に対する感受性を高める薬を内服または外用した後、A波紫外線を照射する治療法

治療方法

塗り薬(外用剤)

塗り薬は乾癬治療の基本になります。主に、ステロイドビタミンD3、これらの配合剤があります。

  • ステロイド外用剤
    炎症を鎮めたり、免疫機能を抑える作用があります。長期間使用すると、皮膚が薄くなったり、毛細血管の拡張がみられることがあります。
  • ビタミンD3外用剤
    皮膚の過剰な細胞増殖を抑え、炎症をおさえる働きがあります。ステロイド外用剤に比べ副作用は少ないものの、効果が出るまでに比較的時間がかかります。まれに、高カルシウム血症や腎障害がおこることがあります。
  • 配合薬
    ステロイド外用剤とビタミンD3外用剤を合わせたお薬です。

光線療法(紫外線療法)

症状のある部位や全身に紫外線を照射することによって、過剰になった免疫反応を抑える治療法です。紫外線にはいくつかの種類がありますが、乾癬治療では、長波長紫外線(UVA)や中波長紫外線(UVB)が使用されます。
光線療法を受けるには、1週間に数回程度の通院または入院が必要になります。 日焼けや色素沈着の副作用が生じることがあります。

  • UVB療法
    UVBの中でもとくに高い治療効果が得られる波長付近のみを照射する「ナローバンドUVB療法」や、局所的に照射できる「ターゲット型光線療法」があります。
  • PUVAプーヴァ療法
    炎症を鎮めたり、免疫機能を抑える作用があります。長期間使用すると、皮膚が薄くなったり、毛細血管の拡張がみられることがあります。

飲み薬(内服薬)

症状によって、飲み薬(内服薬)のみを用いたり、他の治療法と組み合わせて服用されたりします。

  • PDE4ピーディーイーフォー阻害剤
    免疫バランスの乱れを正常化し、炎症を抑える作用があります。ステロイド外用剤などで改善がみられない場合や、関節症状を伴う患者さんが治療の対象になります。副作用として、投与初期に消化器症状、頭痛などが見られることがあります。

    PDF4とは? PDE4(ホスホジエステラーゼ4)は、炎症や免疫にかかわる細胞に多く存在している酵素です。 PDE4阻害薬は、このPDE4を阻害することで免疫のバランスを整え、炎症を改善すると考えられています。

  • レチノイド製剤
    ビタミンAの誘導体です。皮膚細胞の異常な増殖を抑え、正常な皮膚をつくる作用があります。肝臓や腎臓に障害のある方、妊娠可能な女性や妊婦さんは服用できません。
  • 免疫抑制剤
    過剰な免疫作用を抑える作用があります。副作用として、血圧上昇、腎機能障害がおこる可能性があるため、治療中は定期的な血圧測定、血液検査を行います。

注射(生物学的製剤)

免疫機能に関わる特定の因子に直接働きかける治療法です。免疫の働きを抑える作用があるため、感染症にかかりやすくなる場合があります。

乾癬の治療では、症状やライフスタイル、治療目標などを考慮して治療法が選択されます。

一番大切なのは患者さんが「正しい知識を得て、前向きな気持ちで治療に取り組むこと」です。治療に対しての希望や疑問、心配事がありましたら、遠慮せずに医師や薬剤師等に相談しましょう。

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