第2回 とちぎ乾癬友の会 学習懇談会(第23回) ~栃木県宇都宮市

患者会を支えるみなさんに話を聞きました!

元気のない患者さんの悩みを軽くし、前向きな気持になってもらう。それは、診察室だけではできません。

とちぎ乾癬友の会 相談医:大槻マミ太郎先生 (自治医科大学皮膚科学 教授)

……この患者会の良さってなんでしょう?

大槻先生:いろいろありますが、家族も一緒になって参加できるところは、患者会の素晴らしい側面ではないでしょうか。病院の診察は本人不在だとなかなか厳しいですが、とちぎ乾癬友の会では、本人が参加できなくても、親とか、時にはおじいちゃんやおばあちゃんまでが参加されて、みんなで乾癬の家族を支えようとしている方々が実際にいらっしゃいます。乾癬のひとが家族にいると、お風呂のお湯を頻繁に取り替えたり、掃除や洗濯が大変だったりと、家族の負担もそれなりにあったりしますが、家族は黙ってひたすら我慢、といった昔のような時代にはもうしたくないんです。家族で一緒に考え、家族で一緒に支える、というのは、乾癬治療においてとても素晴らしいことだと思います。

……会に参加してみて、医師と患者さんがとても近しい印象を受けました

大槻先生:診察室でしゃべるのは、どうしても治療に関することが中心になります。患者さんのメンタル面や、結婚や就職といったライフイベントに関わりたくても、限られた診療時間の中ではそれにも限度があるんです。また、上からモノを言いたくはないのですが、患者さんからすれば1対1の診察室では、どうしても受け手となりがちです。患者会ができ、診察室では話せないこと、見せない顔に触れることができるのは、とても良かったと思っています。もっと相互理解を深められる方法はないか、と数年前から質問コーナーを作ったのも大正解でしたね。当初は話のうまい人を集めて飽きられない工夫に重点を置いていましたが、質問コーナーをつくることによって、まさに医師と患者、そして医療関係者が垣根なく自由に語り、共感できる環境が生まれました。

……若い参加者も多いように感じましたが…

大槻先生:はい、若い方には一生懸命声をかけています。診察室でプライベートな話になった際は、付き合っている人いるの?相手にちゃんと伝えてる?といったざっくばらんな話をして、結婚を考えている患者さんには、こんどパートナーを一緒に患者会に連れて来なさいよ、と助言したりします。先ほども話したように、乾癬は家族で考え、支え合うことがとても大事ですからね。また、若い彼らの生の声、悩みの声って、思った以上にほかの患者さんの心に響くみたいなんです。もちろんお年寄りの声も大事ですが、話が昔の話に偏りがちで、いやいやそれどんだけ昔の治療法?ということも多いので(笑)、やはり若い意見は貴重。忙しくて来れない、という若い人たちがまだまだ多いのがジレンマです。

……参加された皆さんが笑顔で帰られる姿が印象的でしたが…。

大槻先生:来てみて驚かれたかもしれませんが、うちは支えてくれる人たちがすごく充実しているんです。群馬や東京の患者会、医師の方達も必ず毎回参加してくれますし、近県の患者会との連携もすごくとれています。どんな患者さんが来ても「ぼくたち、息吹ふきこめますよ!」という万全の体制で毎回、患者さんを迎えられるようにしています。元気がなくなっている患者さんを外に連れ出し、前向きな気持ちになってもらう、あるいは悩みや不安を軽くしてもらう、というのは診察室の中だけではできることではありません。これからも”三位一体”で乾癬と向き合って行きますので、皆さんも気軽に参加してみて欲しいですね。

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