薬物治療や光線療法は症状に合わせて選択されます
- 症状に対する治療は、塗り薬、飲み薬、注射剤[生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)]、光線療法(こうせんりょうほう)があり、患者さんの症状、治療目標、治療効果などを考慮して選択します。いくつかの治療を組み合わせて行うこともあります。
塗り薬
- ステロイド外用薬
- ビタミンD3 外用薬
光線療法
- PUVA(プーバ)療法
- ナローバンドUVB(ユーブイビー)療法
- ターゲット型光線療法 など
飲み薬・注射剤
- PDE4(ピーディーイーフォー)阻害剤
- レチノイド製剤
- 免疫抑制剤*
- 抗菌薬
- ステロイド内服薬
- 注射剤(生物学的製剤)
*保険適用外
掌蹠膿疱症診療の手引き策定委員会: 日皮会誌. 132: 2055-2113, 2022より作成
- 治療をはじめた後であっても、症状が悪くなる場合や変化がみられない場合は、より適切な治療に変更する必要があります。診察の際、 症状の様子を医師にしっかりと伝えるようにしましょう。
治療をはじめた後であっても、症状が悪くなる場合や変化がみられない場合は、より適切な治療に変更する必要があります。診察の際、症状の様子を医師にしっかりと伝えるようにしましょう。

塗り薬
- ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬のほか、保湿剤が用いられます。
- 症状に合わせて、塗り薬以外の治療を組み合わせて行うことがあります。
- 医師や看護師などから指示された量と回数を、擦り込まないようやさしく塗ります。
ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬のほか、保湿剤が用いられます。
- 症状に合わせて、塗り薬以外の治療を組み合わせて行うことがあります。
- 医師や看護師などから指示された量と回数を、擦り込まないようやさしく塗ります。

- 塗った後に触ったり掻いたりしないよう、また、外用剤がすぐにとれてしまわないようにするため、塗った後に伸縮性のチューブ型の包帯や手袋をつけて保護することも推奨されます。
飲み薬
- PDE4 阻害剤、 レチノイド製剤、 免疫抑制剤、 抗菌薬、 ステロイド内服薬などが使用されます。
- 症状に合わせて、飲み薬以外の治療を組み合わせて行うことがあります。
PDE4 阻害剤 | 免疫バランスの乱れを整え、全身性の炎症を抑えるお薬です。 |
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レチノイド製剤 | 主に皮膚の過剰な増殖を抑えるお薬です。 |
免疫抑制剤* | 過剰になった免疫反応を抑えるお薬です。 |
抗菌薬 | 抗菌作用があるお薬で、病巣感染が疑われるときに使用されます。 |
ステロイド内服薬 |
掌蹠膿疱症性骨関節炎の急性の痛みに対して使用されることがあります(皮疹のみ の場合は使用されません)。 |
*保険適用外
掌蹠膿疱症診療の手引き策定委員会: 日皮会誌. 132: 2055-2113, 2022より作成
注射剤(生物学的製剤)
- 皮疹の程度や患者さんの日常生活への影響の度合いにより、対象となる患者さんを医師が判断し使用されます。
- 細菌やウイルスなどの病原体に対する防御反応(炎症)を引き起こす特定の物質の働きを抑えるお薬です。
- このお薬が使用できるかは医療機関によって異なります。
詳しくは医師に相談してください。
皮疹の程度や患者さんの日常生活への影響の度合いにより、対象となる患者さんを医師が判断し使用されます。
- 細菌やウイルスなどの病原体に対する防御反応(炎症)を引き起こす特定の物質の働きを抑えるお薬です。
- このお薬が使用できるかは医療機関によって異なります。
詳しくは医師に相談してください。

光線療法
- PUVA 療法※1、ナローバンドUVB 療法※2、ターゲット型光線療法などが行われます。
- 症状に合わせて、光線療法以外の治療を組み合わせて行うことがあります。
- 治療用の紫外線には免疫の働きを抑える作用があります。症状のある部位に照射することで、過剰になった炎症を抑える効果が期待されます。症状が落ち着くまでは1週間に1~2 回程の頻度で照射を続ける必要があります。

※1 PUVA 療法:光に対する感受性を高める薬を服用または外用した後、A波紫外線を照射する治療法
※2 ナローバンドUVB 療法:波長311nm付近のきわめて狭い範囲のB波紫外線を照射する治療法