




高島:私も乾癬の罹患経験があるのですが、発症当時は不安でいっぱいだったんですよね。どんな治療があるのかわからなくて、体調が気になり続ける毎日でした。今日は少しでも乾癬と前向きに向き合えるきっかけを見つけられたらいいなと思っています。
高島:本日はよろしくお願いいたします。
安部:こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
安部 正敏 先生
細胞生物学 部門研究員などを経て、2018年から現職


高島:乾癬は皮膚の病気だと思われてる方多いようですね。
安部:乾癬というのは実は全身で免疫抵抗力ですね、その機能が活発になっている全身の炎症性疾患と言います。爪に出たりとか、節々、関節が痛くなったり、あるいはコレステロールが高いとか、尿酸が高い、あと高血圧などの合併症があったり、さらには心筋梗塞とか脳卒中などとの関連も言われています。

高島:最初に、私の場合は皮膚に出たんですけれども、最初が皮膚じゃないってこともあるんですか?
安部:まれですけど、関節に先に症状が出て、あれリウマチかな何かなと思っていると、だんだん皮膚にこの発疹が出てきて、あ、乾癬だったという場合がありますね。
高島:なるほど。
安部:もちろん症状は人それぞれ異なりますので、乾癬に向き合う治療も一人一人に合わせた選択肢が必要になってきます。
心筋梗塞・脳卒中などとの関連も指摘されている


高島:現在、この乾癬の治療法にはどういったものがあるのでしょうか?
安部:大きく分けて4つですかね。塗り薬、飲み薬、そして光ですね、光線治療といいます。それから最新の治療は注射、そういったものがあります。で、これらは生活スタイルとか、あるいはお仕事とか、そういったご希望に合わせて、我々皮膚科専門医の主

安部:大きく分けて4つですかね。塗り薬、飲み薬、そして光ですね、光線治療といいます。それから最新の治療は注射、そういったものがあります。で、これらは生活スタイルとか、あるいはお仕事とか、そういったご希望に合わせて、我々皮膚科専門医の主治医と相談しながら選択していきます。大体最初はですね、塗り薬から始める方がほとんどですね。
治医と相談しながら選択していきます。大体最初はですね、塗り薬から始める方がほとんどですね。
高島:今はネットですとかSNSが発達してますので、ついつい、自分で症状などを検索して判断して市販のお薬を使っちゃうなんてこともあるかと思うんですが、そうはしないで、やはりちゃんと相談した方がいいということですよね。
安部:おっしゃる通りですね。情報収集は大切ですね。乾癬がどういう病気か、どんな治療法があるのか、しっかりと理解していただくというのが重要なんですけれども、曖昧な情報で自己判断されると、それがですね、かえって乾癬を悪化させる場合もあります。できれば皮膚科専門医に相談することをお勧めします。その方がその方に合ったオリジナルの治療がきっと見つかると思います。
高島:そうですよね。私も最初は塗り薬の治療をして、その後2人目の子供を産んで、ちょっとしてからもう一度、あの症状が出た…。
安部:再燃といいますね。我々は。
高島:再燃した時には光線治療、光を当てていただいて、すっと引いたんですよね。
なので、その時々によって体に合う治療法があるのかなというふうに感じたんですが、
安部:おっしゃる通りですね。一人一人違いますから、十分先生と相談していただくことが重要ですね。
高島:なるほど。

見直してみませんか?

高島:今の治療が自分に合っていないかもしれない、という悩みがあった場合、先生に相談してもいいんでしょうか?
安部:もちろんです。例えば、私たち皮膚科専門医では、塗り薬の効果が十分に得られないことが推測されて、飲み薬などの全身に作用する薬の使用を考えるものとして、例えば2つ以上の塗り薬で約1か月4週間の治療をしても、皮膚の症状とか痒み、痛みが

残っていたり、あと治療自体に患者さんが満足していらっしゃらないと、これはもう当然ですよね。
満足度が低い。それから塗り薬は時間がかかるんですよ。でも、全身に皮疹がある場合って10分、15分かかる方いらっしゃるんですけれども、大変ですよね。1日15分塗るってね。そういう場合はもう他の治療も十分考えた方がいいですし、何より皮膚の病気って人に見えるじゃないですか。人目が気になると思う。例えば頭とか首とか指とか爪とか、あと関節が痛くなる方もいらっしゃいます、乾癬は。腫れている方、乾癬性関節炎といいますけど、そういった方はやっぱり治療強化をした方がいいです。患者さんから教えられたんですけど、女性の患者さんが綺麗になった後にウィンドウショッピングを楽しめるようになったとおっしゃっていたんですよ。なんで?って聞いたら、洋服をお店でいろいろ楽しみたい。乾癬が悪いとどんどん鱗屑が、洋服に付いちゃうので、お店の人に悪いということをおっしゃっていたんですけど、そういった方は治療強化して塗り薬じゃない治療をお勧めしたりします。で、よく患者さんがおっしゃるのが、治療ってそこで決めたら、それでずっと行くというイメージを持たれるんです。そうじゃないです。試してみて、これはあまり効かないですねとか、効いているけど、ちょっとこれは治療が大変ですね。もう変更がいくらでも可能なので、あんまり思いつめる必要はないですね。是非何でも結構です。皮膚科専門医にご相談いただければと思いますね。
満足度が低い。それから塗り薬は時間がかかるんですよ。でも、全身に皮疹がある場合って10分、15分かかる方いらっしゃるんですけれども、大変ですよね。1日15分塗るってね。そういう場合はもう他の治療も十分考えた方がいいですし、何より皮膚の病気って人に見えるじゃないですか。人目が気になると思う。例えば頭とか首とか指とか爪とか、あと関節が痛くなる方もいらっしゃいます、乾癬は。腫れている方、乾癬性関節炎といいますけど、そういった方はやっぱり治療強化をした方がいいです。患者さんから教えられたんですけど、女性の患者さんが綺麗になった後にウィンドウショッピングを楽しめるようになったとおっしゃっていたんですよ。なんで?って聞いたら、洋服をお店でいろいろ楽しみたい。乾癬が悪いとどんどん鱗屑が、洋服に付いちゃうので、お店の人に悪いということをおっしゃっていたんですけど、そういった方は治療強化して塗り薬じゃない治療をお勧めしたりします。で、よく患者さんがおっしゃるのが、治療ってそこで決めたら、それでずっと行くというイメージを持たれるんです。そうじゃないです。試してみて、これはあまり効かないですねとか、効いているけど、ちょっとこれは治療が大変ですね。もう変更がいくらでも可能なので、あんまり思いつめる必要はないですね。是非何でも結構です。皮膚科専門医にご相談いただければと思いますね。
- 皮疹や症状(かゆみ・痛み)が残っている
- 患者さんの満足感が低い
- 塗る時間が1回10~15分以上かかる など
- 顔 首 頭皮 陰部 手指 爪 足 尻などに症状がある
- 社会生活に影響がある
- 関節の痛みや腫れがある(乾癬性関節炎)

あなたのパートナー

高島:なかなかこう、治療に対する疑問とか不安があっても、先生に直接悩みを伝えるっていうのが難しいなというふうに思うんですよね。
安部:例えばこのような相談カードを使ってみるのも有効です。カードに悩みとか不安をチェックしておけば、診察時に渡すだけで簡単に我々に伝えられますよね。また、カードがない場合、聞

安部:例えばこのような相談カードを使ってみるのも有効です。カードに悩みとか不安をチェックしておけば、診察時に渡すだけで簡単に我々に伝えられますよね。また、カードがない場合、聞きた いことを一つだけでもいいですから、メモしておいていただいて、例えば看護師に相談内容を話していくと看護師が伝えてくれますから、診療時に我々がサポートしたりすることもできます
きたいことを一つだけでもいいですから、メモしておいていただいて、例えば看護師に相談内容を話していくと看護師が伝えてくれますから、診療時に我々がサポートしたりすることもできます。
高島:なるほど。確かに病院に行くとなかなか伝えづらいことも、家の落ち着いた空間で事前に考えておけば先生にも伝えやすいですし、
安部:遠慮して何も伝えられないと、我々も、この人今満足されているんだなと思って、その治療が進んでいっちゃいますね。そうすると、本当にまずい方向を向いちゃいますから。
例えば、言いづらければ、相談カードなんかを活用していただいて、我々に素直な心を見せていただく。これが重要だと思います。
高島:私自身も最初の病院で出された塗り薬でなかなか良くならなくて、病院を変えたんです。だけれども、そこでちゃんと先生にまずはこれで改善しないんですけどってことをしっかり伝えればよかったなって、今このお話の中で思いました。
安部:我々も治療を決めていくうえで一番重要なのは患者さんの意思なんですよ。患者さんがどうされたいか、どういう皮膚の状態に持っていきたいかとか、治療をどれだけ簡単なものにしたいかとか、今の医療現場というのは、治療は患者さんが自ら選択する時代なんです。
ですから、重要なのは良好なコミュニケーションですよね。これは必ずしも患者さんと我々医師の間だけじゃないんですよね。ご家族とか友人、そういった方とコミュニケーションをとって、何か一人で悩まないように心がけていただきたいですね。
高島:先生の温かいお話を伺って、治療にも選択肢があるんだなということを思えて、とても楽になりました。最後に患者さんへメッセージをいただけますか?
安部:患者さんって我々に気を使ってくださったり、緊張をしていらっしゃいます。今、私、高島さんに緊張しています。でも患者さんと我々医療従事者の間というのは上下の関係ではないわけなんですよね。どっちかというと治療においてね、二人、二人三脚、二人で頑張っていく対等なパートナーと言いましょうかね。ですから、医師は医師だけじゃないんですけど、忙しそうに見えるかもしれませんけれども、我々患者さんからの相談をいつも待っています。ですから、どんな小さいことでも些細なことでもいいですから、遠慮せず伝えていただきたいですね。
高島:心強い温かいお言葉をいただきました。ありがとうございました。
安部:ありがとうございました。
対談を終えて
高島:今日は先生とお話しできたことで、とても前向きな気持ちになりました。特に医師は対等なパートナーという言葉が心強い言葉でした。まずは自分に合った先生を見つけて、良好なコミュニケーションをとっていくことが治療の第1歩なのかなというふうに感じました。
治療は一人で抱え込むものではありません。先生に正直な気持ちを伝えることで、新しい選択肢が見えてきます。見つけよう!あなたの乾癬治療。


20年ほど前ですかね。
仕事が忙しくて深夜まで働く日が続いていた頃、乾癬を発症してることが分かりました。
足にできるいくつもの発疹。
気づかれないかなと不安になりながら、毎日コンシーラーを重ねてカメラの前に立っていました。
初めはコントロールできない症状に戸惑いましたが、
病院の先生とコミュニケーションを取りながら体に合った治療法をいっしょに探していくことで
症状が少しずつだけど良くなっていって。
ワンピースを何も気にせずに着られるようになった時はすごく嬉しかったのを覚えています。
その後も、2人目の産後は一時的に症状が強く出たり、
今でもたまに症状が出たりするけれど、自分に合った治療法が分かっていることが、
わたしの心と体をすごく支えてくれています。
だからもし、治療に踏み出せなかったり、良くなることを諦めてしまっている人がいるなら先生に相談してみて欲しい。
今なら私が発症した頃にはなかった、たくさんの治療の選択肢が生まれている。
飲み薬。塗り薬。注射。
きっと、あなたに合った治療が見つかるはずだから。
1979年2月18日生まれ。東京都出身。
成蹊大学法学部政治学科卒。
2001年4月フジテレビジョン入社、
2010年フジテレビジョン退社、フリーとなる。